技術調査部のお知らせ:ぽんと叩けば腐朽具合が分かる、樹木簡易診断技術ぽん太の紹介
(取材日:H26年9月5日)


 台風等により、街路樹や公園内植樹が倒壊する事例が後をたたない。これは、樹木自体の老朽化が主たる要因のようである。このような事故を防ぐために、専門家による樹木診断が求められる。しかし日本全国に植えられた樹木の数は膨大であり、それを限られた樹木医にて点検していかなければならない。
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 そこに着目した島根県の測量会社が、簡単に樹木の腐れ(腐朽)具合を調査できる技術を開発した。
 それが、「打撃音樹内腐朽簡易診断装置ぽん太」である。
 左写真のハンマーで樹木を叩き、その際生じる打撃の振動により発生する共振周波数を数値化して、右のタブレットにて即座に再現、現場にて腐れ(腐朽)具合を判断するそうである。また得られたデータにより所定のフォーマットの腐朽診断カルテを作成することが可能とのこと。
   ㈱ワールド測量設計ホームページ http://www.world-ss.co.jp/HP/ponta/index.html
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 ぽん太の原理について開発者にご説明いただいた。
 異常がない健全木の場合、直径方向の最短長が共振の波長となるそうだが、内部に異常個所があると、打撃の振動がそこを迂回して伝わるため周波数が変わるらしい。
 ちなみにその際の周波数は、樹種固有のものであり、現在は33種の樹木にて対応可能なようである。
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 試行的にこの技術を導入した出雲市都市建設部都市計画課の方々。(左写真)
 出雲市今市町周辺は、情緒ある風情を醸し出しており、観光客も多く訪れる。(右写真)
 この街路樹の安全性を確認するために樹木診断調査を実施したが、樹木医と並行してこのぽん太も使ってみたとのこと。取材時はその結果を取りまとめているところだったが、樹木医の診断と大幅な違いはないようである。
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 場所は変わって、ここはとある道路改良工事の伐採現場。(左写真)
 ここで、ぽん太の実証試験が国土交通省松江国道事務所により実施された。(右写真)
 中央は今回の実証試験の説明をする管理第二課 課長 甲田 展丈氏。新田恭士松江国道事務所長も立ち会う。(向かって一番左)
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 開発者が樹木をぽん太にて調査し、結果を報告、その後すかさず伐採屋さんが木を切って断面を確認する。その作業を繰り返した。
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 左はぽん太の調査結果。予想腐朽率が31%の結果だった。
 実際に木を切った断面が一番右の写真だが、面積を計算すると、実腐朽率は30~35%といったところ。良好な結果である。
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 伐採屋さんも使ってみる。どうやら叩き方・波形の解読には若干の訓練が必要のようである。
 周辺に騒音が発生している場合は適用できない等の課題もあるが、誰でも簡単に調査できるようになれば、今後の維持管理において有用な技術になるかもしれない。
 松江国道事務所では、管内工事等において、しばらくこのぽん太の実証実験を続けていくそうである。
メガネマーク
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