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一般財団法人先端建設技術センター WEB記事

農業はここまで進んでいた!「精密農業」の今、を取材しました。(取材日:H27年10月14日)

 前回の「UAV(ドローン)に関する取り組み(その1)」に続いて、株式会社岩崎の主要な取り組みの一つである「精密農業」について話を伺った。
 写真左は、当別フィールド(石狩郡当別町ビトエ)にある精密農業用のトラクタである。「精密農業」について農場長の河手氏に説明頂いた。
(写真右 河手氏(左)、(株)岩崎のICT活用を進める木下氏(右)

 (株)岩崎が行っている「精密農業」には、大きく①トラクタガイダンス、②オートステアリング、③可変施肥システムの3つである。
 先ずは、①トラクタガイダンス、②オートステアリングに関わるトラクタの普及状況について説明を頂いた。
 北海道では、その広大さから他の都府県に比べても普及台数は多く、年々上昇傾向にあったそうだ。平成26年度、27年度もほぼ同じ傾向が続くことが予想されていることから、引き続き、研究・開発を進めていくとのことだ。

 先ずは、①トラクタガイダンスについて説明を頂いた。いわゆる情報化施工のマシンガイダンスと同じ考え方で、GNSSの位置情報で自機の位置を補足し、予め指定した農場内のルートパターンに沿って誘導するシステムである。

 次に、②オートステアリングであるが、上記で説明したガイダンスシステムは、人間がトラクタに搭乗し、ガイダンスに従って手動で操作するシステムだが、これは人間がトラクタに搭乗するものの、ハンドル操作は自動になるため、作業機の操作などに集中できることで効率化を図るシステムである。

 ①トラクタガイダンス、②オートステアリングともに、広域の圃場内で自機(トラクタ)の位置情報をいかに正確に捕捉するかがさらに重要となる。
 そのため、(株)岩崎では、専用の基地局を農場内に設置している。この基地局による補正情報を利用することで、その誤差は、わずか数cmに収まっているそうだ。

 実際に筆者もトラクタに搭乗させて頂いた。先ずは、河手農場長に説明を受け、その後、オートステアリングで動かして頂いた。
 外から見ると、操作しているように見えるが、実際は、筆者はトラクタに乗っているだけで、一切操作していない。目の前でステアリングがグルグル回っているのが興味深かった。

 最後に③可変施肥システムについて、その仕組みと北海道内での利用状況の説明を頂いた。③可変施肥システムは、①トラクタガイダンスにセンサを組み合わせ、作物の育成状況をリアルタイムに計測し、肥料の散布量を調整するシステムである。これにより、①トラクタガイダンス単体に比べ、圃場内での作業で作物の育成状況に合った適切な量の肥料を散布できるようになったそうだ。
 農場内では、精密農業担当の秋田谷氏から、このシステムで使用しているセンサ、トラクタからどの様な角度でレーザーが照射されているか、模型を使って説明をしてもらった。


 (株)岩崎が携わった当別地区、川西地区、本別地区、オホーツク地区の4圃場で概ね粗原収量※1が増加し、更に品質や歩留まりの向上により、最終的な製品収量は4圃場全てで増加し、その効果が実証された。
 ③可変施肥システムは、その効果の高さから北海道内での利用がますます増えているそうで、試験導入も含め、積極的に利用を進めていくそうだ。
※1:粗原収量→製品になる前の作物の収穫物の分量


(株)岩崎では、今後、精密農業にUAV(ドローン)を活用し、農業への担い手不足の問題、広い圃場での生育診断等、様々な課題解決や作業支援に他分野で培ったICT技術を展開し、北海道の産業発展に寄与していきたいとのことだ。
 今回、UAV(ドローン)と精密農業の二つのテーマで対応頂き、ありがとうございました。
 これからも、北海道から新しい取り組みが出てくる事を期待しています!

 写真下:左より木下氏、秋田谷氏、河手氏、金子氏、森下技術調査部長、山本氏、筆者


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