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一般財団法人先端建設技術センター WEB記事

計測~処理~教育まで。北海道に広がるUAV旋風。(取材日:H27年10月14日)

 株式会社岩崎は、平成16年からICT技術の活用による建設現場の生産性向上に力を入れてきた北海道札幌市に本社を構える企業である。
 近年では、情報化施工を始め、CIM(Construction Information Modeling/Management)やUAV(ドローン)等、3次元データの活用に関連する技術は積極的に導入し、ない場合は自社開発すると言った具合に建設現場でのICT活用に取り組んでいる。
 その中で「UAV(ドローン)に関する取り組み(その1)」と「精密農業(その2)」の二つの取り組みを2回に分けて、紹介する。

 お邪魔したのは、(株)岩崎が情報化施工や精密農業の技術検証および講習会、体験実習のために設立した当別フィールド(石狩郡当別町ビトエ)である。写真左は、入り口に停めてある情報化施工実習用の専用重機とその2で紹介する精密農業用トラクタである。
 「UAV(ドローン)に関する取り組み」について山本紀彦氏に話を伺った。

 写真左:左側にあるのが精密農業用のセンサを積んだトラクタ、右側が実習用の情報化施工用のセンサの取り付けられたバックホー
 写真右:左手前より、金子氏、木下氏、森下技術調査部長、筆者、山本氏

 (株)岩崎では、(株)エンルートよりUAV(ドローン)を購入(写真左)し、3次元計測を中心に進めてきたが、昨今の情勢を踏まえ、ただ”撮る”だけでなく、しっかりとした教育も重要であるとして、UAV(ドローン)の操作指導も行っている。
 そこで1年掛かりで準備したのが「自社安全運用基準(写真右)」と教育プログラム、保険の完備である。
 教育プログラムは有料で誰でも受講でき、修了後は、受講証明書が発行される。これも全て安全に、かつ効果的にUAV(ドローン)を活用するための取り組みの一環である。

 計測においては、先ずは写真撮影を行うが、重要なのは写真のラップ率だ。撮影したい箇所が決まれば、ラップ率を加味した空撮ルートを検討、設定する(写真左)。
 実際にUAV(ドローン)を飛ばし、撮影した写真から解析を行い、顧客の要望に応じて、点群を生成(写真右)したり、オルソ画像を生成したりし、処理後に納品を行うと言った手順である。

 ここで一番問題となるのが、解析時の点群データの処理である。UAV(ドローン)による撮影では、どうしても樹木の箇所やくぼみ等の起伏があった場合、陰になってしまうため地盤線が正しく処理できないことである。
 (株)岩崎では、この問題解決のために点群処理ソフト「PET’s」を自社開発した。いわゆる点群のノイズ除去および点群補間をほぼ自動的に行うソフトで、これにより設計業務や施工業務への活用が可能となった。現在、この「PET’s」のNETIS登録を進めているとのことだ。

 最後に動画をご覧頂こう。これは、札幌市厚別区にある「開拓の村」という野外博物館である(施設設置者:北海道博物館)。北海道の開拓当時の建物を移設、復元したもので、札幌駅の前身の「旧札幌停車場」、昔の北海道庁である「旧開拓使札幌本庁舎」等の文化財が保存されている。
 しかし、建物の図面が十分には保存されていなかったため、(株)岩崎では、「開拓の村」全体をUAV(ドローン)と3Dレーザースキャナーの合わせ技で計測し、3Dモデル化した。しかも計測に要した日数はわずか1日とのことである。

 (株)岩崎では、今後も積極的にUAV(ドローン)を活用し、建設現場での生産性向上に寄与していきたいとのことだ。
 さて次回は、その2として、「精密農業」について紹介したい。
 これは、一般的なトラクタにセンサを取り付け、作物の育成状況を計測するものとGPSによるトラクタガイダンスとオートステアリングシステムである。いわゆる情報化施工の農業版と言ったところだろうか。
 詳細は、2月にアップする予定である。 


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